「苦労すると白髪が増える」というのを、誰でも一度は聞いたことがあるかと思います。
確かに、若くして頭髪が白くなっている人をみると、大変な体験をしているのではないかと思うような気もします。
でも、科学的根拠のない単なるうわさのような気もしますが…
果たして、本当に苦労すると白髪は増えるのでしょうか?
白髪が発生するタイミングと苦労体験する時期は同じ?
結論から言うと、苦労したからと言って頭髪がどんどん白くなっていくという話に科学的根拠は一切ありません。
やはり、老化が一番の原因と考えられます。
日本人の白髪の発生する年齢は、個人差はありますが平均すると大体35歳を過ぎた頃で、頭髪の半分が白くなるのは55歳ぐらいからだと言われています。
30~50代と言えば、ちょうど働き盛りで、プライベートでも子育てや家庭の一大イベントなどが集中する時期です。
歳を重ねてから自分を振り返った時に、「あの頃は大変だったなあ」と思うような年代になる頃から白髪が出始めるため、このように言われるのではないでしょうか。
実際、どんな人生を送ってきたのかに関係なく、80歳を過ぎるころにはほとんどの人の頭髪は白いか、禿げて無くなっているかですね。
黒髪の人だって色々大変な思いはしています。
若白髪は苦労している証拠?
たまに、10代でも髪が白い人を見かけます。
確かに頭髪が白い理由は何となく聞きにくいですし、見た目が気になる年頃ですので相手も語りたがろうとはしないでしょうから、色々勘ぐって大変な姿を想像してしまうかもしれませんね。
ただ、実際はこれも苦労とは関係ありません。30代前に白髪が多数発生する症状には、「若年性白髪」という症状名がついています。この症状の多くは遺伝的な要因、あるいは持病や薬の副作用によるものと考えられています。
一夜にして頭髪が白くなるという話は、本当?
恐怖や心労のあまり一夜にして頭髪が真っ白になった、という話もよく聞きます。
しかしこちらもまた、科学的根拠はありません。すでに生えている髪の毛の色が自然と抜けて白くなってしまう可能性がそもそもないからです。
黒髪には髪を黒くしているメラニン色素というものが存在するのですが、人体が自然にそれを分解することはできません。もしメラニン色素を分解するなら、ブリーチのような薬品を使って人工的に脱色する必要があります。
ただ、髪が生えている毛穴が突然色素を作らなくなるパターンはあります。その場合でも、髪は伸び続けるので、生え際だけが白くなってしまう可能性は考えられます。